中学部・数学特別授業【関数】[4月9日(金)]を終えて

数学特別授業【関数】4月9日(金)実施を終えて

 

すでに平常授業において関数については触れているので、時間の関係から変域を中心として

  • 比例
  • 一次関数の導入

の2点に的を絞った。

比例の式も求められるし、グラフも書けるし、グラフからも式が求められる。

いわば、出された基本問題はほぼ解けるのである。

 

ただし、次の点が気になった。

比例の関係をx、yの対応関係としてとらえ、式や表にあらわし、なおかつそれから(x、y)の座標の点としてとらえ、グラフがその点の集まりであるという基本的なことが総合的かつ統一的に理解されているとは、言い難いケースもあった。

とりわけxの変域が所与の場合、yの変域を求めるときも式からだけ機械的にxの変域の両サイドを式に代入し2つのyの値を求め、挟むのは良いが(※閉区間の場合)、例えば8<y<―4などというあり得ない矛盾した大小関係を何の疑いもなく躊躇なく書いてしまうケースも見られた。

 

比例の場合も一次関数の場合もa(比例定数の値もしくは変化の割合)の値がマイナスの時、グラフは右下がりになる場合、こういった間違ったyの変域の表示をした生徒が目立った。

これは、ある程度予想していたのであるが、思ったより少し多かった。

そこで、遠まわりのようでも、グラフ上にxの変域をいちいち示し、それに対応するyの値を具体的な数値を入れて生徒に確認させ、xとの対応関係としてあえて示してみたのである。

xとyの対応関係としての変域についてもある程度理解できたのではないかと思う。

時間がなくてできなかったのであるが、これがy=ax²の関数(原点(0,0)を境に増加減少関数もしくは減少増加関数)のxの変域がマイナスからプラスの領域にまたがる場合もいちいちグラフでその対応関係を確認しさえすればよいのである。

機械的にxの変域の両端を短絡的にyの変域にしてしまうようなミスは起こらないであろう。

このようにxとyの対応関係としてyの変域もとらえることがぜひ必要なことだと思われる。

 

実は特別授業で関数をとりあげた理由の一つは、変域における上記のようなミスを犯すのではないかというささやかな危惧があったからである。