★最近の中学校のテストの動向を見て思うこと

★最近の中学校のテストの動向を見て思うこと

昨年あたりから、一部の中学校においては、いわゆる中間テストや期末テストといった定期テストを止め、単元テストやその他の学習活動の成果を学期の成績をつける評価対象に加える学校が出てきたようだ。当塾においては、昨年は1校が、今年度においては、さらに1校を加えた2校になった。(もっとも、当塾は厚木市にある学校全体の中の数校からだけの通塾で、一部の学校に限られているので、全体的なことは、分からない。いろいろな場所から通ってくる大手塾さんにおいては、全体的なことを把握されているだろうと思われる。)
この様子から判断すると今後こういった傾向がひろがってくるかもしれない。

ただ、現在のところ、当塾に通ってくる大半の生徒の中学校では、今年度も今まで同様、単元テストなどに加えて大きな比率をもって、定期テスト(中間テスト・期末テスト・学年末テスト)を実施するようである。

思えば、歴史的には、ずいぶんテストのあり方は変わってきたものである。
古くは、神奈川県では、アチーブメント・テストというものがあった。それも中1と中2の両方やった時代、中1は廃止され、中2のみが高校へいく成績に入った時代。その後、内申とアチーブメント・テストと高校入試の比率が変わっていった経過もあった。さらに、アチーブメント・テストの呼び名を学習状況調査に換え、その後、その結果が神奈川県の公立高校合格の資料に一切入らなくなった。つまり廃止されたのである。確か、日本でこういったテストを行っていたのは当時、神奈川県と他のどこかの県の2つだけだったと思う。

ア・テストの廃止は当然、神奈川県の公立高校の入試問題の傾向を教科によっては変えることになった。例えば、理科の入試は中3内容が中心だったのが、他の県などのように中1・2・3まで広がった。

また、ゆとり教育の時代になると、小学校・中学校・高校の学習項目が、連動して変わってきた。例えば、小学校の下の学年で学習すべき内容が上にもちあがってきた。当然、中学校も高校も同様なことが起こる。教科書の改定においては、それに携わった方々やそれに伴い塾教材も大きく改定されたので教材作成にあたった方々も相当ご苦労されたと思う。中学の数学などでは、2次方程式の解の公式は、高校にまわされた。

その後ゆとり教育が見直されるようになると、学習内容が、単にもとに戻ったというのではなく、周知のように以前にも増して盛りだくさんになってきた。

たとえば、英語などにおいては、以前中3でやっていた現在完了は、現在完了進行形を含み中2まで降りてきているだけでなく、高校でやっていた仮定法(※そんなに深くはやらないが)もである。

英語続きで言えば、東京都立高校の入試のスピーキングテストは、全国的に広がる傾向になるかもしれない。厚木市内の学校の英語の授業の中でそういったものを取り入れた授業も見られるようだ。

ダラダラと書いてしまったが、テストのあり方が変わってくるのは、ある意味では、必然である。

何故かというと社会が変化するから、それに伴って、社会で要求される学習能力も変わってくるからである。

いわゆる教育社会学的視点である。

当然、文部科学省もそういったことをもとに教育の大まかな教育目標は変わらなくとも(※戦後の指導要領を歴史的に見ると)細かい学習項目は、変更されたものや新たに付け加わっているものもある。

それは、単に社会の変化のみならず、各国の生徒の学力との比較をも考慮に入れているのは自明の理である。

最近行われた小6と中3の2023年全国学力テストもその結果が集計された段階で最新の学力状況の特徴がわかるであろう。

ここで、私の言いたいのは、テストのあり方が、たとえ、変わってきたとしても、教科書をしっかり読み理解し、先生の話をよく聞き、学校から帰ったら、毎日その日の学校の学習内容を復習をしていく姿勢は、定期テストだろうが、単元テストだろうが、大切なことなことだと思う。

ただ、学校で分からないとことが、前学年の箇所にその原因があるならば、そこにもどってしっかりとやり直すことは極めて大切なような気がする。

知識で覚えれば済むところであれば、さほど問題がないかもしれないが、積み重ねで基礎をしっかりマスターしておかないと理解できないような、ある程度、体系だった科目(数学・英語など)は、遠回りでも、最初からやり直し、理解することは、重要であると思われる。

そのことが、案外、近道だということもおおいにありうることだ。

ここで、注意することがある。

理解するすることは、確かに一番重要なことであるが、得点をとるという、かなり、なまぐさい話となると、定着するまで繰り返し問題を解くことも必要である。

ながながと、当たり前のことを書いてしまったが、まず、テストのあり方や評価の仕方は時代とともに、変わるが、それとは別に、基本的な勉強の仕方は、案外、地味なものであるのかもしれない。

(※追記)もっとも、あえて何とは言わないが、最新にバージョンアップした対話型AIを自由に全部授業やテストで使ってよいとなる(※私は必ずしもそうはならないと思うが…)と今まで求められてきたものとは全く別な学力が要求される場合もあり、成績の統一した評価基準も大幅に変わり、上の勉強の仕方はとても古くさいものとなってしまい、学力をはじめとするものは大きく変わっていく可能性もあると思われる。