★中1数学における文字に関する指導は特に丁寧に!!

★中1数学における文字に関する指導は特に丁寧に!

 

確かに小学校において□や〇や△などを使ってそれらの関係を表し、それにいろいろと数をあてはめて調べたりした。

さらに高学年になると、□や〇などの代わりにxやyなどを使い数量の関係を表したりしてきた。

そして、その次の段階として比例と反比例を通じて式をしだいに一般的に活用していく方法の習熟に慣れ親しんできた。

そうはいっても、小学校における段階での生徒の理解はこれらの文字は数に代替するものであるに過ぎずきわめて漠然としたものと目にうつる生徒も中にはいるであろう。

しかるに、中学1年においては、集合論的な思考を入れて、文字を任意の数量の代表としてつかませる必要があり、方程式の項目では、文字を未知数としてとらえる必要性も出てくる。

比例・反比例の分野においては、x,yの文字を変数とみなし、aを定数とみなすということも大切なことである。

さらに変域の問題もここで大きくかかわってくる。

また、生徒にとって、文字は日常で使う具体的な数と違って一般的にとらえられない場合が多々あるのは、買い物などに行って「鉛筆x本とノートy冊ください。」とは通常言わないという事実がその根底にあるからなのかもしれない。

このことは、すなわち、具体的な数と文字との区別がしっかりできていないということ、なかんずく生徒における理解度の違いの個人差が非常に大きいという点も私の指導経験上の事実である。

このように考えると、「たかが文字ではないか?

そんなに神経質になるな。」という意見も聞いたことがあるが、

私自身は、このような多様な意味合いを持った文字については、学習段階ごとに逐次整理し、生徒に対して慎重に指導する必要があるという認識である。

そして、文字を使うメリットを生徒に十分実感してほしいと思っている。

 

(※注)『改訂中学数学 教師用指導書』教育出版、出版年が記載されていないので不明。相当前のものだと思われる。

P.87

第3章 文字の式 本章の位置づけの内容を参考にした。