◆頭の中だけでなく実際に観察してみることの重要性

◆頭の中だけでなく実際に観察してみることの重要性

現在では、そんなことはとても考えられないかもしれないが、こんなことがあった。

私が中学1年生のとき理科の先生が、日当たりのよいところに生える植物としてタンポポがあり、日当たりのあまりよくないところに生える植物にドクダミがあると板書をしながら言われた。そして、それが中間テストに出た。

当時、私の中学は、校舎を新たに建てるため、工事の関係で、安全を確保する上で校舎の日当たりの良いところ、悪いところの植物の観察ができなかったのである。

したがって、その時、実際にタンポポとドクダミの生育しているところを見ていないのである。

もちろん、ほどんどの生徒は、丸暗記し、その問題ができた。

何年か前、散歩の際、たまたま、近所の工場の建物のまわりの敷地の草が生えている場所を外から見る機会があった。

すると、中学1年の理科の時間に学んだ通り日当たりのよいところには、元気にタンポポがいっぱい生えている。そして、日陰になっているところには、ドクダミがたくさんある。

「なるほどな。」と思って納得したのであるが、よく目を凝らしてみると、「おや!」と思った。

よく観察すると、葉の大きさは日陰のところと比べて小さいし、しかも個体数は少ないように見えるが、確かに、日当たりのよいところにもドクダミがあるではないか。

この後、私は気になって、もう一度日陰の場所にひきかえしてみた。

すると、どうであろう?

先ほどと同様に、今度はその日陰にまばらではあるが、日向と比較して明らかに花は小さいがタンポポがあったのである。

私は、驚いて飛び跳ねたくなった。

何十年ぶりにタンポポとドクダミについて正確に知ったのである。

あの時、工事で学校の校舎のそばの植物の観察を実際に行わなかったために、正確な植物の分布と生育環境の関係を知らずじまいになってしまったのか、と不思議な気分になった。

「百聞は一見にしかず」という言葉をその時、噛みしめたのである。

とかく、他人の話や頭の中やインターネットで調べるのもいいが、外に出て実際に自分の目で観察することも、非常に大切な気がした次第である。