🔶中学国語文法(※口語すなわち現代語の文法)について
中学校では国語の時間に文法を体系的に長時間を使って学習しているケースはそれほど多いとは必ずしも言えないと思われる。
また、文法のための文法に関しては、賛否両論があるのも確かである。
さらに学校文法は橋本進吉のいわゆる橋本文法がその基礎にあると言ってよい。
橋本文法に拘らず文法一般の細目を見れば、品詞の分類をどう見るか、また、形容動詞を認めない立場等々、枚挙にいとまがない。
しかし、以下では、中学校における口語すなわち現代語の文法に限定し見ていくならば、生徒たちにとって、学校において文法にかける時間の少なさが
影響してか、あるいは、そもそも生徒の関心が論説文・説明文・文学的文章の読解と比して、無味乾燥であまり高くないという傾向はあると思われる。
文法の接近方法は、多々あるが、まずは、以下の品詞を体系的におさえることが肝要である。
1.名詞
2.副詞
3.連体詞
4.接続詞
5.感動詞
6.動詞
7.形容詞
8.形容動詞どのような
9.助詞
10.助動詞
である。
まずは、これらの品詞には、具体的にどんな言葉があるかをいくつか挙げさせ、それを使って文を作らせてみる。(※生徒側が限られたものしか上げられない場合は、教師側もその手助けとして予め準備をしてその他にいくつか挙げてみる。)
しかる後にそれらの品詞がどのような働きをし、どのようなものを表しているのかをまとめる。
ただし、そこで、また新たな言葉が出てくると、生徒の中には、ぞっとするものも出てきて、ますます文法に対するアレルギーが増し、文法を受け付けなくなる原因になるかもしれない。
紙幅の関係から副詞と連体詞の説明に限定して見てみることにする。
副詞➡「様子・状態・程度を表し、主として【連用修飾語】になる。」
連体詞➡「「どの・どんな」を表し、【連体修飾語】になる。」
【 】の中に示した【連用修飾語】や【連体修飾語】とは、一体全体何であるかを説明する前に〈用言〉〈体言〉〈修飾語〉〈連用〉〈連体〉とは何かを遠まわりのようでも生徒に時間をかけて丁寧にきちんと理解をさせなければならない。
こういう手順を踏んで地道に指導していくことは生徒の文法理解にとって、大切なことだと思われる。
その後に活用をする品詞の活用のしかた等を見ていき、一つの品詞のいくつかの意味の分類について学習していくのも体系的理解にとっての一つの手である。
ところが、テストにはまぎらわしい品詞の識別等が問われる場合がある。
例えば、「の」の区別、「れる・られる」の区別、「そうだ」の区別、「ない」の区別、「だ」の区別などである。
もちろん、区別方法を覚える必要があるかもしれないが、まずは、基本的な品詞について時間をかけて理解をし、文法嫌いを少しでもなくさせ、自信を持たせることが急務のような気がするのだが…。
また、生きた現代文を読むにあたって、品詞ごとに分類させてみたり、修飾語を付けた場合ととった場合は、文章がどのように変わってくるかなどを議論させるのも面白いし、ついでに修飾語の理解から著者の表現の仕方がより深まるという副産物にありつけるかもしれない。
(※参考文献)
『学研ニューコース中学1~3年国文法』
『研究資料日本文法』明治書院 昭和59年
『中学国語 学習辞典』学研2002 p.58~280
令和7年 10月15日