🔷小6算数 「比例・反比例」の学習の始める前について思うこと


🔷小6算数 「比例・反比例」の学習を始める前について思うこと
小6の比例・反比例の学習は、xとyの対応関係としての中1数学で学習する関数の橋渡しをするものとして、また理科の学習にとっても実験の結果やその考え方の基礎となるという意味ではとても大切である。
しかし、6年以前の学年で「ともなって変わる量」の学習を下敷きにしているのは、当然わかるのであるが、6年生においても、ダブる部分はあるにしても、もう一度「ともなって変わる量」について具体的な例を含めて生徒自身に考えさせるのは、とても大切なような気がする。
日常生活やすべての事象の中で、比例と反比例の関係だけが当てはまるとは言えないからだ。
今何十年も前の算数の教科書は手元にないが、ずいぶん前に、確か、片方が増えればもう一方が減るものの具体例や一方が増えれば他方も増える具体例を生徒に自由に挙げさせたことがある。
実際授業で聞いてみると、いろいろな答えが返ってくる。
前者の例としては、昼と夜の時間の関係とか、ろうそくをつけている時間とろうそくの長さとか、中には驚くことに、生きてきた時間と死ぬまでの時間というとんでもないものが出て来たのには、はっとしたのを覚えている。
後者の例としては、こんなものがあった。決められた面積の畑に肥料をまいたときの肥料の量と収穫量の関係、正方形の一辺の長さと面積の関係、立方体の一辺と体積の関係などだ。
このような例は、必ずしも、「ともなって変わる量」には違いないが、比例でも反比例でもない。
実際に一分間にどのくらいの割合で減っていくかの前提を与え、時間とろうそくの長さを表に書かせて、その関係性に法則があるかを考えさることもできる。また、正方形の一辺の長さと面積の関係と立方体の一辺と体積の関係について目を輝かせて驚いているのである。
その後に、正三角形の一辺の長さとまわりの長さの関係を実際に長さを変えて書かせてみる。
また長方形の面積を決めておいて、縦と横の長さをとらせ、いろいろなケースを実際書かせてみる。
その後にそれらを表にあらわし、今度はグラフに書かせてみる。
そうではなく初めに比例や反比例がありきというところから出発すると、何でもかんでも比例や反比例に当てはめてしまうということにもなりかねない気もするのだ。
このように直接的に比例・反比例に直に入ることをせず、回り道のようでもさまざまな「ともなって変わる量」を比例・反比例の学習の導入にあてることは大切のような気がするのは、私だけであろうか。
このくらいの回り道をすることは、時間の無駄だと言えるのであろうか?
少なくとも「比例と反比例」だけが「ともなって変わる量」のすべてではなく、その一部にすぎないということが、生徒にとって、漠然とでもわかるのである。
そんな気がするのは、果たして私のとんだ思い込みなのであろうか?