これは、自分にもあてはまることであるが、他人の話をよく聞くという姿勢は当たり前のようであるが、ものの理解にとって案外大切なことであると思われる。
これを身につけることとその教科そのものの学習内容の指導とは、とりあえず分けて考える必要がある。
しかし、実際に問題をやるときは、この姿勢ができていない場合は、いくら時間をかけてもなかなか学習効果が得られないケースがある。
この姿勢を身につけているか、いないかはその後の学習成果に多大な影響を与えているように思われる。
したがって、その姿勢ができているにあたっては、その学習者の今までの学校や家庭で身につけてきたこととかなりの相関があると考えてよいのではなかろうか、という気がするのである。
だから、その教科の学習をする前に、そのことの条件がある程度整っていることが学習効果という観点から考える場合、その前提事項として目に見えないことであるがきわめて重要なことと思えるのである。
よく話を聞ける子は、よく読める子であり、さらには、よく表現できる、すなわち、よく書ける子なのである。
教科指導の他にこのような基礎的事項の指導をするのには、どこかの政治家の言説ではないが「莫大なエネルギー」がかかるのである。
すぐにこのようなことが身につけばよいのであるが、自分自身の学生時代そうであったように、けっこう長い時間がかかるのである。
大学においてもその教科の学習の前にその教科の基礎的事項として高校の復習から始める場合もあるかに聞いている。
さらに、企業や公的機関においても新しく入って来る人にたいして研修などを通じて基礎的な事項を学習させているようである。
小中学校に目を転じてみると、学校での時間数が減ってしまうことは、コロナ禍の中では、しかたがないことだとはいえ、この「人の話をよく聞く」という基本的な習慣とあいまって、なおさら、こちらとしては焦ってしまうのである。
でも、このように泣きごとばっかり言ってはいられない。
なんとかせねば………。
★ 話を「聞くこと」の大切さ!