★中2数学〈証明問題の解法の手順の基礎の基礎〉
(1)
そもそも中2数学で取り扱う証明とは何か?
啓林館『未来へひろがる数学2』の教科書P.115には次のように書かれている。
具体例を示した後、「このように、すでに正しいと認められていることがらを根拠として、仮定から結論を導くことを証明と言います。」と説明している。
さらに、証明のしくみについて次のように述べている。
◆仮定から出発して、
◆すでに正しいと認められていることがらを根拠として、
◆結論を導く。
(2)
したがって、証明問題を解く場合、問題文から、どれが「仮定」で、どれが「結論」かを生徒一人ひとりがしっかり自分で読み取り、「仮定」の部分を青、「結論」の部分を赤などで色分けしておくのも一つの手である。
次に、図が載っている場合は、自分でその図の仮定の部分には青、結論の部分には赤で印をつけてみる。
その後で、仮定の部分を式などで表してみる。同様に結論の部分も式で示してみる。
次に自分で、その図をよく見て、あとどこが等しいと言えれば、合同条件を満たすのかということをじっくり考えさせる必要がある。
その場合、逆に、考えられうる三角形の合同条件を持ち出して、果たして本当にこのことがいえるのか、時間をとってでも自分で考えさせるのである。もちろん教師はこの場合そばにいてじっと見ていなければならない。
(3)
その後、すぐに解答を書かせるのではなく、自分でどういう手順で証明をするのかを本人に言わせてみるのである。
それが、正しい手順であったなら、完全証明を本人に書かせて教師側がチェックするのである。
(4)
そのような手順を踏んで答案を書く練習をすると、証明問題の対処の仕方がだんだん身についてくるのである。
しかし、ここで気を付けなければいけないのは、合同そのものの証明ならそれでよいが、
合同を使って角や長さを証明するには間接的に図形の合同の証明を使って、その角や長さが等しいことを証明しなければならないことを生徒自ら十分認識できるように、特に注意する必要がある。
その場合、「合同な図形は対応する角(あるいは辺)が等しいので」という文言を結論部分の前に書かせる訓練も必須である。
(5)
仮定、結論の区別のための色分け、合同条件のどれに当たるかや「仮定」には直接書いてないことでも合同条件に当てはまるものを自分で見つける癖をつけること等ができ、完全証明ができるように訓練すれば、穴埋め問題などはおのずとできるのである。
こんな当たり前のことでも、おろそかにしなければ、少なくとも自分は証明で何をやっているのか途中でわからなくなる心配はなくなるのである。
ぶっつけ本番で書きながら証明するなどというのはもってのほかである。
まずは、自分で最初に図を見ながら順を追ってきちんと考える。
そして証明が完結したのちに初めて書き始めるのが王道である。
題名を〈証明問題の解法の手順の基礎の基礎〉とした所以である。