◆中3英語[塾生対象]
本日、入試基礎対策として、【表・グラフを使った問題】と【長文読解の入試問題】の二つをとり上げた。
前者に関しては、グラフの表しているものは何であるのか、その項目について比較しながら正確に英文を読みつつ問題を解く癖をつけてほしい。
本日の授業で資料と英文をよく見比べながら正確に読んでいきさえすれば、おのずと解答があぶりだせるのが分かったと思う。
英文そのもの自体は、そんなに長いものはなくわりと短めで易しい。
ただし、常に文法事項(比較や数をあらわす文法事項は特に重要である。)に注意して正確に読む必要がある。
それに対して、後者すなわち本日取り上げた高校入試の長文読解問題に関しては、やや様相が異なることに気づいたであろう。
一つひとつの一文が長いところがあり、しかも本日の授業で分かったように中学1・2・3年で学習すべき文法事項がみごとに散りばめられている宝石箱といってよい。
さらに、一文が長い原因として修飾語句が挿入されているケースがほとんどだ。
一文の正確な理解のためには、単語の配列から自分なりになんとなくぼんやりと意味をとらえれば、それでいいんだという態度はよろしくない。
まず、その英文の骨格をあぶり出す事が必要である。
そのためには、どうするのか?
まず修飾語句は( )で括ってみるのである。
このことによってどの文型か、そしてどの構文かが必然的にあぶりだされてくるのである。
では、この修飾語句にはどんなものがあるのか?
そのうちいくつかを挙げておこう。
前置詞+名詞、副詞およぴ副詞句、to不定詞の形容詞的用法ならびに副詞的用法、現在分詞の形容詞的用法、過去分詞の形容詞的用法、関係代名詞が含まれている箇所等である。
これらの部分を一旦( )に括って英文を読んでいくと意外と簡単な英文になるということが本日の授業でわかってもらえたと思う。
その後で修飾語句を補って英文の意味を読むとその英文が何を言っているのか、正確に読み取れるのである。
一文を長くするのは、生徒に対する意地悪でも何でもなく、中学校の英語の学習をしていく中で修飾語句などを身につけていくことにより豊かな英語表現ができたり、その豊かな表現で表された文を解釈できるようにするためであると言っても過言ではない。
話をもとにもどすと、やや細かい枝葉末節な問題であるが、単語についてである。
入試問題は、中学校のどの教科書でもあつかわれている共通の単語の範囲で主に英文の長文の問題が作成されているが、どうしても習っていない単語やある教科書には出ているが、ある教科書には出ていない単語もわずかではあるが問題の作成上出てしまう場合もある。
その時はどの生徒にも不利にならないようにその単語には※印がついていて下に単語の意味が書いてあるので、わからないからと言って決してあきらめるのでなく、必ず※印の箇所を見てほしい。(※ちなみに国語の入試の古文についても同様である。)
さらに、長い一文の理解のために、thatは接続詞なのか、関係代名詞なのか、whenは疑問詞なのか接続詞なのか、ingの現在分詞は、進行形なのか、動名詞なのか現在分詞の形容詞的用法なのかなどの区别がしっかりとできていなければ正確に英文は読み取れないのである。
さらに一文の意味がうまくつながらない場合、動詞の後に接続詞のthatを補ってみたり、関係代名詞の目的格が省略されているのを補ってみるのも英文読解には役に立つ。特に関係代名詞の主格か目的格かを判断する場合、主格の場合は関係代名詞の後に(助動詞)動詞がくるのであるが、目的格の場合関係代名詞の後に主語+動詞+本来あるべき目的語の欠落がみてとれる。こういった英文の不完全な語順がみられたなら、目的格のthatやwhichを補ってみるくらいのことはできるようにしてもらいたい。
要するに英語の長文読解の長い一文の正確な理解にとっては以上でふれたような注意事項をヒントに精読する必要があるのである。
言い換えれば、以上で長文問題においても1年から3年までの基本文法は例文の暗記とともにしっかり理解しておかなければならないということがおわかりになったと思う。
なお、当塾の生徒諸君には今のうちに注意を喚起しておきたい。
3年の英語の二学期の定期テストにおいては、以前のように必ずしも、教科書の範囲からの問題だけではなく、入試の長文の傾向を模した問題も別に出題される傾向が強い。
当塾においては、これから行われる夏期講習・入試対策の県立進学コース・基礎コースなどにおいて、時間をさいて長文問題ついてもできるだけ細かいわかりやすい解説をする予定である。
さらに長文読解で逆に基本文法をふりかえりながら相乗効果をはかりたい。。
きのうの授業のテーマの一つをとりあげたのは、長文を正確に読み取るには精読の必要性がいかに大切かがわかってもらいたかった点があったからである。
これさえできれば、グラフを読み取る問題と同様に問題文に対する解答はおのずと導き出されるのである。
中にはそんなに時間をかけていたら、長文だけで時間を費やしてしまうではないかという指導者もいるかもしれない。サッと問題文をまず読んで次に該当すると思われる付近の英文の箇所を読んで問題を解くべきだと言うのである。それもある意味では真実を物語っているかもしれない。(何年か前の入試の長文の問題はこれでも、そこそこの点はとれた時代があったが近頃はその指摘も考慮に入れたせいか公立の入試問題の長文の質が変わってきたような形跡が全国的に見てとれるようである。)
正しい内容を選択しなさいという最後の問題については長文を正確に読んでいないとそうやすやすとできないのである。
長文自体をいい加減に読み、分かった気になってたまたま選択問題が当たったと言って喜んでいるなどというのは、もってのほかと言わねばならない。
何より、怖いのは、なにしろ時間配分という制約からだけでその英文をいい加減に読む態度が常態化することであり、そして、変に自己流に英文を読む癖がつくデメリットの方がはるかに大きいと私は考える。
「急がばまわれ」である。
最初は時間がかかっても、今まで学習した文法事項を丁寧に確認しなから、正確に読む訓練をする必要があると考える。
しかる後にこの学習態度を常に意識的に維持しながら、読むスピードをだんだん上げていくように練習するのである。
入試問題の長文をいくつか読んでいくうちに速く正確に読めるようになってくるはずである。
何も入試問題だけでなく英語の三年生の教科書の本文も、自分でノートに写し、これまで勉強してきた文法事項を駆使して正確に訳す癖をつけることも決して長文読解にとって無駄にならないどころかとても役に立つのである。
かつて当塾では入試の過去問の長文問題をるやらせる前に厚木市以外で採択された教科書をいくつか使って3年生に集中的に演習を行ない、全文を訳させてみたことがある。
すると、これを行わなかった年と比較してしてみると確かに入試の長文の読解問題の正解率が大幅に上がったのである。これはおそらく英文を的確に読む態度が身についたせいだと思われる。