◆中学数学における【変域】の指導の重要性
変域の指導については、ややおろそかになっているのではないかという点が気になる。
変域は関数(比例・反比例・一次関数・y=ax²の関数)においても、xの変域とyの変域の関連性が大切である。グラフ上においてxとyの変域がどのように関係しているかを生徒に一つ一つ確認させたい。
一次関数の場合、【決まった大きさ】の水槽に蛇口から時間当たり決まった割合で水が入れられるケースなど(※蝋燭が燃えて一定の割合で短くなる問題なども)、具体的な問題を取り上げるのもいいであろう。
【比例のように水槽の中には初めからカラの状態】の場合と【既にいくらかの水がはじめから入っている一次関数の場合】の比較も面白い。どちらしても、水槽の大きさが有限なので、変域が大きく関与してくるのが生徒にとって変域がより具体的な問題として気づかせることもできる。さらに、xの変域とyの変域の関係が明白に連動していることにも気がつかせるのに良い例であろう。
中3において学習するy=ax²の関数におけるxの変域がマイナスからプラスにまたがる場合のyの変域ももただ機械的にやるのではなく、初めのうちはグラフ上で丁寧に扱いたい。特に比例や一次関数のように変化の割合が常に一定であるものと違った二次関数においても混乱が起きないように慎重に時間をかけて指導したい。
さらに、変域は、その他の方程式の応用もさることながら、特に、二次方程式の応用における【解の吟味】にも大きく関わってくる。
なお変域に関わる基礎として不等式を範囲(※「閉区間」「開区間」を含めて)を表すものとして数直線を使い、生徒に確認することも必要かと思われる。
いずれにしても、【変域】の指導は中学数学の理解にとって、上述したことからも分かるように、案外、要となるような気がする。
しかし、なかなか、【変域】に関して、それ相応の時間をかけて丁寧に指導しているとは言い難い気もする。
【変域】が苦手な生徒が実際けっこういることも、その証左ではあるまいか?
もう少し時間をかけてゆっくり指導する必要があるのではと、思うのは、果たして私だけであろうか?
令和7年 7月13日(日)