◆中1英語の教科書を並べて思うこと


◆中1英語の教科書を並べて思うこと
ここに開隆堂の2冊の年代の違う英語の教科書がある。
一つは昭和61年発行のもので、もう一つは令和6年発行のものである。だいぶ年月の差がある。現在は小学生から学校で英語の授業があるので昭和61年のものとは単純な比較はできないのである。この間に文部科学省(※当時は文部省)の指導要領の内容や単語の数や文法項目も時代とともに異なっている。
だからタイトルを『比較』とはせずに『並べる』としたのである。
教科書は双方とも『サンシャイン・イングリッシュ・コース 1』
英語教育の時代の変遷を見る上で興味深いと思い、【巻末の単語の数】を並べてみる。
昭和61年のものはこうである。
ただし、当時の「文部省中学校学習指導要領」の中に示された語である。数えてみると【281個】
令和6年発行つまり現在使用されている教科書は、以下のとおりである。
ただし、以下の語は、「教科書で学ぶ単語のうち、特に重要な語を示す」となっており、当然、小学校で学んだ単語の重複もけっこうある。
その数は、数えると【563個】である。
初めに述べた理由などから単純な比較はできないのであるが、およそ2倍である。
38年間ぐらいの間に単語数だけを見てもずいぶんと変わったものである。
もちろん変わったのは単語の量だけでない。現在の教科書には、1年生の目標が4ページに書かれている。「身の回りの人やもの、ことについて、原稿やメモを参考にしながら紹介することが出来る」と。以前の教科書には、教師用指導マニュアルならともかくも、教科書の最初に現在のように目標という形では記載がなされていない。
さらに、徐々に学習内容は指導要領の変遷に伴い、変わってきたのであるが、参考までに、以前の教科書には1年次に入っていなく、最近の教科書に入っている内容について若干触れておく。
一般動詞の過去形、be動詞の過去形、過去進行形など。
そもそも、社会の変化、国際化、グローバリズムなどの影響により話す力、聞く力、説明する力、読む力、プレゼンする力、デスカッション・デイベートなどが以前より増して要求されることから当然英語の教科書も変わるのは、必然とはいえるのであろう。英語に対する興味付けや楽しさとしての小学校の英語の教科書構成やそれとの整合性をもった中学英語の教科書の構成も分らぬではないが、生徒の定着の度合いについて、いささか考えさせられるのである。
40年の月日の間に上の学年(高校など)から降りて来た内容などを含む学習内容の多さが果たして生徒にとって、定着の観点から大丈夫かという不安を覚えるのである。
そんな時、昭和60年のここにある教科書の文法事項、単語の少なさにかえって、新鮮味をおぼえてしまうのは、ノスタルジーにひたっているだけなのだろうか?

令和8年3月2日