◆小5算数・【図形】「多角形について」 (特に9月入塾生・保護者対象)
【きのうの9月の初めの授業内容】:まず平行線における角について学習した。
その理由は、小学校の領域を超えるが、あとで、なぜ三角形の内角の和が180°になるのかの理屈をわからせたかったからである。(※これは決して先取り学習という意味ではなく、別な考え方のアプローチもあることを知ってもらいたかったからである。)
くわしくは、中2の数学で学習することになるが、ひととおり、対頂角、同位角、錯角(※小学生なのでその言葉自体はさておき)について説明した。(※もっとも、錯角は等しいということの証明は「対頂角は等しい」と「平行線にできる同位角は等しい」を使って)
学校や教科書では、三角形の三つの角を切り取ったものをあわせて、180度になることをいくつかの三角形について分度器ではかり確かめたようである。それは、それでとても大切なことである。
そのことを一般的にどんな三角形について当てはまることをいうには、どうしたらよいかを試しに考えさせてみるために、平行線にできる錯角が等しいことを使い、底辺に平行で一番上の頂点を通る直線を引き、三角形の内角の和が一直線すなわち180度になることで証明してみた。具体的なそれぞれの三角形の内角を切り取ってつなぎ合わせることによって、分かるのとは違い、小学生の範囲を超えることになるが、どういう反応が出るか、見てみた。すると、こちらがあらかじめ期待していたように興味を持ってくれたようである。
多角形の内角を一つの頂点から対角線を引き、上で違う観点から証明した三角形の内角の和の180°を、できる三角形の数とかけ合わせて求めるのはもちろんのこと、さらに、一般的なn角形の内角の和を順序だてて説明してみた。
確かにnという文字は抽象的でやや分かりにくかったようであるが、nの代わりに〇角形の場合は、一つの頂点から引いてできる三角形の数はその多角形の辺の数より2少ないこと、すなわち(〇−2)であることは、十分に分かったようである。その後で、〇のところをnとしてみたら、理解できたようである。
そのあとで、多角形つまりn角形の内角の和が、180°×(n-2)になる公式をゆっくりと時間をかけて導き出した。
この公式のnのところに3以上のどんな自然数(※小5では自然数の概念はまだ説明されていないので、ここではとりあえず整数ということにしておいた。)でも代入しさえすれば、その多角形の内角の和が自由に求められることを知り、目を丸くしていた。よせばよいのに、調子に乗り、逆に内角の和がわかっている場合、その多角形は何角形かという問題についても触れてみた。
今回の授業は、ある意味では、規則性・文字の問題を含めて一般化の過程について、算数と数学の橋渡しをするのが、主なねらいであった。
初めての授業で興味を持ってくれたので、胸をなでおろしているところである。(※もちろん教科書の範囲の内容は、宿題に出しているのはもちろんのことである。)