◆小6算数でおさえておきたいところ(塾生・保護者対象)

◆小6算数でおさえておきたいところ(塾生・保護者対象)

【割合】の箇所はしっかり復習しておく必要がある。

中学の方程式の応用においても再び出てくる可能性があるからである。

基本的問題であるが、例えば以下のような問題である。

「760円で仕入れた品物に、その25%の利益を見込んで定価をつけました。

定価は何円ですか。」(塾教材『ピラミッド算数小6』p.142「まとめのふくしゅう[タームテスト(5)]」より引用)

この問題をやる前に、割合とはそもそも何であるかにもどり説明した。

◆割合=比べる量÷もとにする量

◆比べる量=もとにする量×割合

◆もとにする量=比べる量÷割合

の3つの公式を使って、それぞれを求める式ができるように練習をする必要がある。

その後に例えば、100円の10%はいくらかになるかの式を立てさせる。学校などでは「の」が付いたら「×」になると教えているところもあるようだ。100円×0.1(円)

次に100円の10%増しはいくらになるかを求める式を聞くと、100円+100円×0.1(円)とするケースと100円×(1+0.1)とするケースが出てくる。前者は、増した分をもとの100円にたす方法である。生徒にとっては、こちらの方が具体的な感覚を持つ場合がある。後者は学校でそのようにするのだと習ったことをそのまま当てはめたケースである。

そこで、多少意地悪かもしれないが、なぜ違った方法で同じ答えになるのかを聞いてみた。首をかしげる生徒もいる。

そこで、前者の100+100×0.1を100×1+100×0.1とみなし、共通の100でくくり出すと後者の式100×(1+0.1)が出てくる。

逆に後者の100×(1+0.1)を分配法則を使うと、

100×1+100×0.1=100+100×0.1となり、前者の式が出てくる。

ということは、前者も後者も同じことになることを意味する。

このように式の変形により理解させることもさることながら、まずは同じ長さの2つの線分を使って「円」の世界と「割合」の世界をほんの少しだけ離して分けて書き、慣れてきたら一本の線にして上記の2つの式の意味を理解させるのも一つの方法ではないかと思う。

何割増しや何%増しのケースと同様に何割引きや何%引きのケースも図示して表してみる習慣を付けさせるのは、中学の数学の文章問題を解くアプローチとして有効だともいえる。

このような形で授業を進めると最初の問題は、途中経過もきちんと書けるようになり簡単に解けたのである。この図に表す習慣は、「仕入れ値に利益を見込んで定価をつけ、さらにその定価を値引きするような問題」に対しても役に立つと思われる。

(追記)

来週までにこちらで作成した問題は必ずやって来てください。黒板で図示してこちらに説明してもらいます。私が生徒になりますので私のわかるように説明してね!(笑い)