「思いつくまま…」


「思いつくまま…」
 たまには、勉強に関係ないことを書いたからと言って、そんなに叱られないだろう。
 あれはボクが南毛利中学の中1の夏休み前の蒸し暑い日の大掃除のときだった。
 玄関表の外を箒で掃いていたら、突然ボクの目の前を大きな雄の真っ黒いカブトムシが必死にほぼ一直線に飛んでいったのだ。
 何だろうと思い、その後ろを見たら、雀が全速力で追いかけているではないか?
 小さい虫なら雀はすぐに捕まえて食べてしまうのであるが…。
 まだ、13歳になったばかりのボクは、カブトムシも雀にやられてしまうと思った。
 だって、カブトムシは昆虫で雀は鳥類であるから勝ち目はないと思っていたんだ。
 実際、小学校の夏休みの後半にアブラゼミが地面にいるのを雀がつついているところを見ていたからだ。
 そんなことがあり、哀れ、カブトムシも終わりかと胸が痛くなったのだ。
 でも、こんな生物間の非常事態に遭遇したら掃除どころではないと思い、幸いなことに先生がいなかったのを良いことにして、竹箒を放って、この状況をじっと観察することにしたのである。
 すると、カブトムシも必死に逃げている。ボクはカブトムシが上に向かって飛ぶのは見たことがあるが、水平方向に向かって飛ぶのはあまり見たことがない。でも、この時は水平方向だったと思う。
 もう少しで、雀が追いつきそうになったが、とうとうカブトムシは雀に捕まらなかった。
 雀は、諦めたのである。
 カブトムシは、とうとう逃げ切ったのである。あっぱれ、カブトム虫!
 その時、掃除終了のチャイムがなったのである。
 何だか、しばらくほっぺたが興奮して赤くなっていたのを今でも、はっきり覚えている。
令和8年 6月15日