★中学理科【さまざまなエネルギーとその変換】
これに関する問題として、つぎのようなものがある。
[問] 熱エネルギーを利用した発電の一つとして、地熱発電がある。この発電では、地下にあるマグマの熱によってあたためられた水蒸気の熱エネルギーから、次のようにして電気エネルギーがつくり出される。
a b c
熱エネルギー➡運動エネルギー➡電気エネルギー
(水蒸気) (タービン) (発電機)
このときの水蒸気の熱エネルギーの大きさをa, タービンの回転による運動エネルギーの大きさをb, これによって生じる電気エネルギーの大きさをcとする。a,b,cの大きさの関係を等号や不等号を使って表しなさい。また、そのような関係になる理由を書きなさい。
〈秋田県〉
(※注)紙幅の関係で、こちらで多少問題文の表現をかえた。
[解説]
エネルギー保存すなわち「エネルギーの総量は常に一定である」ということから「変換前のエネルギーの総量=変換後のエネルギー」と理論上は考えられるのであるが、実際にはあるエネルギーを目的の別のエネルギーに変換する場合、そのすべてが変換すべきエネルギーに変換されるとは限らない。
蛍光灯や電球を考えてみよう。電気エネルギーがすべて光エネルギーに変わっているだけではない。触ってみればあたたかいのがわかるのである。つまり最初の電気エネルギーの一部が熱エネルギーにも変換されているのである。
[解答]
関係:a>b>c
理由:(例)エネルギーはすべて変換すべき別のエネルギーに変換されるのではなく、その(もとのエネルギーの)一部は、主たる変換目的のエネルギーとは別のエネルギーに変わってしまうから。
(注)
以下の問題集のP.52の例題を紙幅の関係から多少の表現をかえて引用させていただいた。説明と解答も同様である。
旺文社様には.厚く御礼申し上げる。
参考文献『受験生の50パーセント以下しか解けない差がつく入試問題・改訂版』
旺文社、改訂版発行 2016,11月1日