★小6算数から中1数学へ入る場合の注意事項
焦る必要は全くないが、特に丁寧にじっくり指導していくことが大切だ。
中学に入ると負の数が出てきて数の拡張がおこるからだ。
正負の数の計算における足し算だけに限定しても同符号(+と+、−と−)異符号(+と−)どうしの場合をきちんと分けて理解する必要がある。
その場合、それぞれの計算の仕方だけを覚えさせてしまうのは、必ずしもはじめのうちは望ましいとはいえない。
常に数直線にたちかえり、確認していくと生徒にとってわかりやすい。そのうちしだいに慣れてきてその必要はなくなる。
次に正負の数の計算における引き算に入る。引き算は足し算になおせることをじっくり理解させ上記の足し算の仕方で計算を行えば良いことを納得させ十分練習をさせる。
このようにきちんとした手順で十分時間をかけ指導してさえいけば、生徒にとって混乱が起きないのである。
ところが、機械的覚えさせると、中には混乱してしまうケースも出てきてしまうかもしれない。
まず、この計算は足し算なのかそれとも引き算なのかをしっかり区別させる。
足し算の場合、同符号なのか異符号なのか、しっかり見極める習慣をつけさせたい。
引き算なら、足し算になおし上記の手順をしっかりとることができるようにさせる。
その際、気をつけることは、くり返しになるがはじめのうちは、いつでも数直線に立ち返って確認して行く姿勢が大切である。
それらのことが本当にわかっているか、同符号と異符号の足し算・引き算の混ぜた問題を作り、常に指導者は確認していく必要がある。
そこで、混乱している生徒にはもう一度もどって根気強く指導していかなければならない。
なんといっても、生徒にとって小学生のときの数の世界と違って、負の数を含めた数の世界に拡張されたばかりなのだから、混乱は当然起こるものだという前提で指導していくのが妥当である。
けっして、機械的にやり方だけを覚えさせるのではなく、初めのうちは数直線にもどって考えさせることも無駄ではない。
そんなわけで、何年やってもこの分野のこの箇所の中1の指導にはどうしても神経質になってしまうのである。
(※追記)同様なことが中3数学の平方根についてもいえる。数の概念が無理数・有理数を含む実数(※中学では触れられない場合もある。)にまで拡大される場合、やはり生徒にとっても丁寧に指導しないと混乱が生じる場合もあり、どうしても慎重にならざるを得ない。