★中学英語【語順整序の問題を英作文の問題になおしてみると………】

★中学英語【語順整序の問題を英作文の問題になおしてみると……】

語順整序の問題を英作文の問題にしてみると、その途端に生徒にとって難易度が上がるような場合もある。

試しに、教育開発出版株式会社の『Keyワーク英語3年』(開隆堂出版株式会社「SUNSHINE ENGLISH COURSEを参考に作成している。)のいくつかの箇所の中の一例だけを引用してみる。

同書P.23「2.次の日本文に合う英文になるように、( )内の語を並びかえて、全文を書きなさい。

(3) あなたは彼に私たちの野球のチームに入ってほしいですか。

(him/join/you/to/want/do)our baseball team?」

この問題のようにすでに単語が並べてあり、語順整序する場合には、【ask+目的語(人)+to動詞の原形】や【tell+目的語(人)+to動詞の原形】や【want+目的語(人)+to動詞の原形】が思いつけば難なくすぐできるはずである。

ところが、厳密に見ていくと、中2で学習したto不定詞の用法「want to」と混乱してしまう生徒も中にはいるかもしれない。

上の3つのパターンは、頭に入っているので間違うはずはないというかもしれない。

しかし、それは学習したばっかりのことだからである。そして、それに当てはめただけのことに過ぎない。

それを完全にマスターしたなどと思わない方がよい。

さて、先ほどの問題であるが、あえて生徒に最後までwant toとして並べかえてやらせてみるのである。

すると、himだけが余ってしまう。

したがって、この問題は、「want to」ではなく「want +目的語(人)+to動詞の原形」の方だということに気づくのである。

並べかえの問題としても気を付けることはあるのに、今度は並べかえではなく、英単語をすべてとっぱらって、日本文だけの完全な英作文の問題にすると、先ほども言ったように、生徒にとって、難易度が増すように見える場合もあるのである。(※時おり、あえて授業中、練習のため語順整序の問題を英作文の問題になおして出題することがある。)

その理由の一つに考えられるのは、この英作文が肯定文でなく疑問文になっているからである。

そこで、この問題をまずは、肯定文になおしてみる。

「あなたは彼に私たちの野球のチームに入ってほしい。」として英文になおしてみると、

You want him to join our baseball team.となる。

これを次に疑問文になおしてみる。

wantは一般動詞の現在形なので、文頭にDoを付ければよい。

したがって、Do you want him to join our baseball team?となる。

英語に習熟している生徒にとって、何もこんなまわりくどい手順はあたかも「水泡に帰す」ことになりかねないのであろうが、一般動詞の疑問文・否定文を主語の「人称」や「単数・複数」や「時制」をも含めてあやふやな生徒にとっては、疑問文・否定文の英作文をやる場合は、いったんは肯定文になおして、その次に疑問文・否定文になおすという順序で段階を踏んでやってみるのも一つの手ではないかとも思えるのだが……。(※be動詞の場合もこの手順をふむということは同様である。)

そして、文法の基本の復習ができるというメリットがあるのは確かであろうというふうに考えている。

さらにこの文章を覚えてしまうのもとても大切なことである。

本日は、紙幅の関係でほんの一例を挙げたに過ぎないけれど、英作文の問題で「mustの書き換えのhave(has) toの疑問文」や「受け身の過去で主語が複数のケースの疑問文」や「willの書き換えのbe going toの疑問文」や「can(couldを含む)の書き換えのbe able toの疑問文」も同様に、いったんは、肯定文になおすことからやってみて、しかる後に疑問文になおしてみるのも有効な一方法であるとも考えられるのである。