◆中学英語文法【転換練習】の重要性
基本例文を覚えることも大切であるが、それを転換練習してみることも、文法(英文の規則)を習得する上で、かなり有効である。
まずは、肯定文の主語をI,You(あなた、あなたたち),He,She,It,We,They(彼ら、彼女ら、それら)にかえてみるのである。
次に、肯定文を疑問文にかえてみることである。それも主語を上述したすべてのパターンでやってみることだ。
同様に、肯定文を否定文になおしてみる。それもあらゆるパターンの主語にかえてみる。
さらに、今度は時制をかえてみる。現在を過去、未来などにしてみる。
もちろん、同様に主語をあらゆるパターンにかえて練習する。
常に生徒自身が自分でこれ(※転換練習)をやってみること、もっと言えば習慣づけてしまうことは、文法の基礎を習得する上でかなり有効であると思われる。(※学校や塾でその時間がないならば、自分でやればいいだけのことである。)
英語教育が、文法中心主義から、自分の考えを相手に適切に伝えたり、プレゼン能力をつけさせることを以前にもまして、重視する傾向は理解できないわけではないが、英語を母国語としない人が、英語を習得する上でやはり、文法の理解は必須だと思われる。
実際、上述した内容(※自分の主張の英語表現、相手とのスムースな会話によるコミュニケーション等)が散りばめられていることは否めないが、教科書も大枠では、5文型などを含む文法にそって編纂されていることは、どの教科書も見てもらえば、一目瞭然にわかることである。
さらに、学校のテスト、入試の文法問題の中の選択問題・正誤問題・語順整序問題には上述した【転換練習】が問題を解く上でかなり有効であると私は考えるのである。換言すれば、転換練習で習得した文法上の構造的理解の定着が、役に立つというわけである。
しかし、最近の学校ではスピーキングテストなどを重視する傾向や、問題集を各自でやらせることが目立つようになってきたと思えるのは私だけであろうか?学校での繰り返し練習にあてる時間がもっと必要ではないか?
学校での【転換練習】にあてる時間が以前(※20年くらい前)よりずいぶん少なくなってきたのてはないか?などと邪推したくなるのである。
英語学習の目的はコミュケーション能力だけではなく、文学作品(※中学英語ではここまでやらず、外国の風習や生活のあり方等の具体的例が取り上げられているわけであるが…)を読んだりして外国の文化の理解、英作文を含むライティングの習熟等、多々あるが、その基礎にはいずれも比重の大小はあるにしても、基礎的文法は必要なのである。
これを、英会話を含むコミュケーションか文法かという択一的な問題にすりかえることこそ私はナンセンスと考えるがいかがなものか?
もう少しそういったこと(※基礎的な英語の決まりの習得)に時間をさくことも必要なのではないか。
それが叶わぬなら、生徒が各自でこの転換練習をやってみればよいだけのことである。
そうすれば、うっかりミスも少なくなるのではないか?
主語が単数か複数か、時制がどうなのか、などがきちんと習得でき、また、動詞がその影響を受けることに気づくのに転換練習が役立つことに期待する。
そのことが基礎の習得に繋がれば、なによりである。
とにかく急がば廻れなのである。