★中学関数(反比例・比例・一次関数・y=ax²の関数の場合)について思うこと
(1)
そもそも、関数(function)とは、2つの集合X,Yがあって、Xの各要素xに対してYの要素yがただ一つ対応するとき、yはxの関数であるという。
まず、上記の4つの具体例を示し、集合XとYにおける対応関係を示し丁寧に指導し、その対応関係から関数の意味を分からせる必要がある。
(2)
例えば、「2倍する」とか「2倍して1をたす」とか「2乗する」とかいう約束ごとに基づいてxとyの関係を具体的な数字を入れて表に作らせる。
(3)
それをyについての式にしてみる。
(4)
再度、その式に具体的な数字を順次代入させ、それをx、yの組すなわち、(x、y)における点の集まりであることから線としてのグラフを書かせることでグラフ表示という観点から理解させることも大切である。
(5)
そのうえで、点の座標から式を求めさせたり、式をグラフになおさせたり、再度グラフから式を求めさせる方法について考えさせ、そのことに習熟させたいものである。
(6)
関数における式・表・グラフの統一的な理解を時間をじっくりかけて指導したいものである。
式は式、表は表、グラフはグラフであるということで全くそれぞれ別物という理解をしている生徒もいるのである。
表現形態だけが違って見え、統一的な理解がなくとも例題に当てはめ、問題を解く練習を積めばテストの問題は解けるのである。そのことをもって、数学が良く理解できていると判断されるのである。
ちょっと困ったことだ。
(7)
それから、xの変域(定義域)とyの変域(値域)についても、表からまたはグラフ上から丁寧に理解させたい。
比例や一次関数の変域を機械的にやることによってy=ax²の関数における変域の求め方をそのまねから誤ることがないようにしたい。
変域もよく理解しないままになっている生徒もいるということをいろんな方面から聞く。
(8)
とにかく、生徒にじっくり理解させることは、たくさんあり頭を悩ませるのである。
(9)
しかし、最近、学校でも、こういう問題はこういうふうに解くのだというように、
例題に当てはめて解く練習をすることに終始し、本質的な関数の理解にはあまり時間を
かけていないように思えて仕方がない。
この点に関する生徒の理解の様子を見てそう思うのである。
関数についての関連認識の重要性を痛感するのである。
塾でそんなことをいうのは、果たして本末転倒というべきなのだろうか?