★中学数学【確率の問題】
確率の問題は、「起こり得るすべて場合の数」と「そのことが起こる場合の数」をもれなく重なりなく、きちんと数えあげることが案外近道になる場合がある。
もちろん、中学における数学的確率としては「同様に確からしい」ということが前提になっている。
具体的に考えず、面倒くさがって、いちいち数えあげないで何となく頭の中でどういうことなのかを大雑把にとらえようとしても、なかなか整理がつかなくなりやすい傾向もある。
(もっとも中学の問題だとしたらコンピュ―タを使えば簡単に瞬時に求まり、数え間違いということはないのであるが…。それは、自分で問題を解く上では別問題である。)
そこで、ここでは【サイコロと整数】の問題として以下でごく基本的なものを見てみることにする。
[問題]
サイコロを3回振って出る目の数を順にa,b,cとするとき、次の確率を求めよ。
(1) c/a+b = 1となる確率
(2) c/a+bが整数となる確率 (開成高)
(1)の【説明】と【解答】
a,b,cのすべての出方は、6×6×6=216通りである。
c=2,3,4,5,6のそれぞれについて当てはまる適する場合の数を順次調べていくことにする。
(なぜ、cは1にならないかといえば、この式すなわちc=1を満たすようなサイコロの目のaとbは存在しないからである。)
c=2のとき、(a ,b)=(1,1)
c=3のとき、(a, b)=(2,1),(1,2)
c=4のとき、(a, b)=(3,1),(2,2),(1,3)
c=5のとき、(a, b)=(4,1),(3,2),(2,3),(1,4)
c=6のとき、(a, b)=(5,1),(4,2),(3,3),(2,4),(1,5)
以上が、c/a+b=1を満たすすべての場合である。
したがって、数えあげると15通りなので、 その確率は15/216=5/72
(2)の【説明】と【解答】
c/a+bの値が1以外の整数になるケースを考える。
(1)の他に、c=4のとき (a, b)=(1,1), c=6のとき (a, b)=(1,1),(1,2),(2,1)の4通りが考えられる。
したがって、c/a+b が整数となるすべての場合の数=15+4=19通りである。(※さっきの(1)の場合の15通りを利用し、それに今出した4通りを足すのである。)
よって、求める確率は15+4/216=19/216
(引用文献)『高校入試 数学解法3000題 頻出度順』監修 埼玉大名誉教授 梅澤敏夫
旺文社 初版発行 1987年 2月20日 P.392
※なお、引用部は[問題]のところの部分だけであり、【説明】と【解答】は、筆者による。