【中3・関数のグラフの形状の特徴をつかむ問題】を利用して復習をしまう方法
さっき、まだ、学校で学習してない項目のプリントからの質問があった。
口頭で問題を聞いたために、正確ではないということは、あらかじめお断りしておかねばならない。
その上で、問題を書いておく。
◆次のア~カのうち、(1)~(4)にあてはまる関数をそれぞれすべて選び、記号で答えよ。
ア y=2x² イ y=1/2x² ウ y=12/x
エ y=2x オ y=-1/2x² カ y =-4x+7
- (1)グラフが原点を通らない関数
- (2)変化の割合が一定である関数
- (3)グラフがy軸について対称である関数
- (4)グラフがx軸について対称である関数
以上の簡単な問題を直接やるのではなく、ちょうどいいのでこの機会にこの問題を使って、中学1・2・3でやる関数の復習をすることにした。
次の手順で復習を行った。
- 関数とは何か?(yがxの関数であるか否かの判別ができるかということを具体的問題を示し問うことにより関数とはいったい何かということを理解できたか確認する。関数の意味を対応関係から再度わからせる練習。)
- 比例・反比例・一次関数・y=ax²の関数の具体的例にはどんなものがあるか?
- 文で書かれた関数をyについて表してみる練習。
- 上をふまえて、それぞれの関数の一般的な式の特徴すなわちy=~の形はどのように示されるか?を示したうえでそのそれぞれがどの関数になるかの判別ができるようにする。
- 比例の特徴・反比例の特徴・一次関数の特徴・y=ax²の関数の特徴は?
- それぞれの関数はどうやったらグラフに書けるか?
- それぞれの関数のグラフを何パターンか実際に自分で書かせその特徴を整理する。
(たとえば、比例・一次関数において、aが変化の割合あるいは傾きで一定であり、a>0の時とa<0時のグラフの特徴、aの絶対値の大きさによりグラフはどのように変化するかなど。反比例の双曲線はa>0の時とa<0の時、グラフは第何象限を通るかの確認など。y=ax²のグラフの特徴としてa>0の時とa<0の時の場合はどうなるかということ、aの絶対値の大きさの違いによりこの放物線のグラフの開き方はどうなるかということ。たとえば、aの値を3としてy=3x²とy=-3x²のグラフは互いにx軸について対称であることなど。
さらに、変化の割合が一定の関数は、比例を含めた一次関数の直線のグラフであり、反比例やy=ax²のグラフの場合は直線にならず曲線になる。逆に考えると変化の割合が一定ではない場合、グラフは直線になりようはずがないことを生徒に理解させることも一つの手である。)
これらのことを十分に説明し、各関数を実際に自分でグラフに書かせたうえで
各関数の特徴を再度整理させるのに45分かかってしまった。
これらの作業をやらせてからこの問題を自分で解かせてみた。
すると、生徒は私にこう言った。「先生、この問題は、グラフを書いてからやればいいんですね。」
そして、見ていると概略であるが、ノートにグラフを自分で書いている。
さっきやった予備知識が身についていたので、いとも容易く解いていた。
時間はかかってしまい一見回り道のようであったが、中学で学習する関数の基本はグラフのみならずついでにおさらいできたのである。(変域の問題については混乱するといけないかと思いここではあえて触れなかった。別の機会に時間をとって説明する予定である。)
したがって、問題を解くことだけではなくその問題を解くための背景の根本理解が大切であるということが改めて分かった。
ここにおいても、私が常日頃抱いている、単なる問題が解ければよいということではなく体系的な学習の意義もあるということが確かめられたような気がした。
(注)以下に参考までに解答をのせておく。
【解答】
(1)ウ、カ
(2)エ、カ
(3)ア、イ、オ
(4)イとオ